気まぐれコラム(1) 教育パラダイムシフト

教育パラダイムシフト

~ 教える時代から、応援する時代へ ~

「先生の仕事って、何だと思う?」そう聞かれたとき、思わず
「子どもに勉強を教えること」と答えていませんか。

でも、ちょっと待ってください。

今の時代、インターネットを開けばどんな知識でも手に入るし、
生成AIは、説明も例題も無限に出してくれます。
“知識を教える”という点だけなら、もはや人間の先生より上かもしれません。

 では、先生や学校の価値って何でしょう。

教育基本法は「人格の完成」と「社会の形成者の育成」を掲げています。
学習指導要領も、「豊かな人生を切り開く子」「持続可能な社会の形成者」を目指しています。
つまり、ただ“頭のいい子”ではなく、“人としてしなやかに生きていける子”を育てたいということです。

 

~「見える力」と「見えない力」~

ここでよく出てくるのが、「認知能力」と「非認知能力」という2つのキーワード。

前者は、知識・思考力・判断力・表現力など、いわば“テストで測れる見える力”。
後者は、やる気・思いやり・ねばり強さといった“測れないけれど、生きるうえで欠かせない力”です。

認知能力は、塾や教材でも伸ばせます。Aiも上手に教えてくれます。
でも、非認知能力はそうはいきません。

「やる気を出しなさい」「集中しなさい」と言われて育つものではなく、
「思いやりを持ちなさい」と言われて持てるようなものでもない。

それは、経験を重ねる中で、少しずつ子どもの内側に芽生えていくものです。

 

~ 教師の役割は「応援者」 ~

だとしたら、教師の役割はなんでしょうか。
それは、子どもが自分で選び、決め、体験していくことを“応援する”こと。

子供があたかも自分の意思で取り組んだように感じる環境をつくること
「教えること」ではなく「仕掛けをかける」そして「邪魔しないこと」。
子どもが“自分で学びたくなるように仕掛け、その瞬間”を逃さない、それが先生の腕の見せどころです。

授業も、「子どもにこれを身につけさせたい」という教師の願いからではなく、
「自分はこれをできるようになりたい」という子どもの願いから始まるように

仕掛けていくべきでしょう。それが教材研究です。

 

~ 安心できる場から、学びは始まる ~

環境をつくるとは、安心できる場をつくることでもあります。
何を言っても笑われない。間違えても馬鹿にされない。
そんな温かく明るいクラスの中でこそ、子どもは思いきり学べます。

「もっといいクラスにしたいね」と子どもたちが話し合い、
工夫し、挑戦し、振り返る。そのプロセスこそが“非認知能力”の育ちです。
先生は、その舞台を整える「仕掛け人」であり、「伴走者」です。

 

~ 子どもが主役の時代へ ~

学びの主役は、子どもたち。
教師主導の「教える時代」はもう過去になりつつあります。

これからは、子どもが自分の力で学びをつくる「支える時代」。
教育の中心に立つのは、教師の願いではなく、子どもの願いです。

VUCAの時代が始まった今、学校がその転換を本気で進める時、
それが、まさに“教育パラダイムシフト”の瞬間なのです。

皆さんの頭が「特活脳」になっていく、何を見ても特別活動の視点でとらえて、
関わり方が見えてくるように成長していくことに期待しています。

特活脳の人生は楽しいですよ~♫